一般社団法人関青年会議所 2026年度
理事長所信
理事長 北瀬茂樹

はじめに
私は2021年、30歳で関青年会議所に入会しました。当初は地域との関わりがまだ浅く不安
を感じましたが、事業を通じて地域と関わる中で温かい仲間たちと出会い、少しずつ自分の居
場所を見出していきました。活動の中で多くの困難に直面しましたが、真摯に取り組むことで
得られた友情や学びはかけがえのない財産です。様々な役職に挑戦し、成長を実感すること
で、一歩踏み出すことの大切さを知りました。
こうした経験を通じて、地域の一員としての自覚が芽生え、関というまちへの愛着と誇りが
深まりました。歴史や文化、人々の温かさに触れ、このまちの魅力を再認識し、その価値を次
世代へつなぐことが私の使命だと感じています。市民とともに考え、行動することが持続可能
なまちづくりの出発点です。変化の激しい今だからこそ、挑戦し続け、つながりを大切にする
ことが求められています。挑戦には勇気が必要ですが、仲間と共に一歩を踏み出すことで想像
を超える成果を生み出せます。だからこそ私は、挑戦と連携の理念を体現し、関青年会議所が
このまちの希望となるよう、全力で取り組んでまいります。
青少年育成 〜次代を担う子どもたちへ〜
現代社会ではテクノロジーの進化により、子どもたちの実体験の機会が減少しています。イ
ンターネットやAIの普及で情報は容易に手に入りますが、実体験を通じた学びや考える機会
が減り、失敗を恐れ成功体験だけを求める傾向が強まっています。物理的な遊び場が減り、デ
ジタルでのやり取りが主流となる今だからこそ、子どもたちが実体験を通じて心を動かし、学
び、自分の力で乗り越える力を育むことが求められています。
挑戦とは、自分の限界を知り、それを超えようとする意志を持つことです。挑戦の中で生ま
れる葛藤や不安、挫折といった経験は、決して無駄ではありません。たとえ失敗に終わって
も、その過程で得られる学びや気づきが次の挑戦への糧となります。そうして積み重ねた経験
が達成感や自信につながり、人間的な成長を促す最大の財産となるのです。私たちは、あえて
挑戦と試行錯誤の場を子どもたちに提供し、成功体験だけでなく、うまくいかない経験の中に
こそ学びがあるという価値観を伝えていきたいのです。多様な体験を通じて子どもたちが感情
を揺さぶられ、思考し、主体的に行動できるようになること、それが真の意味での生きる力を
育むことにつながります。さらに、他者と協力し困難を乗り越えることで、共感力や協調性、
リーダーシップも育まれます。私たちは、家庭や学校、地域社会と連携し、子どもたちが学
び、挑戦したいと思える機会を創出し、多様な価値観に触れ、可能性を広げられる環境をつく
っていきます。
社会開発 〜関市再発見からはじまる希望の未来〜
関市の人口は減少の一途をたどり、2025年には84,000人を下回りました。2000年からの25
年間で14,000人以上が減少し、特に若年層の都市部への流出が顕著です。人口減少は地域経
済の縮小、インフラ維持の困難、コミュニティの希薄化など多方面に影響を及ぼし、まちの持
続可能性を脅かします。
このような状況だからこそ、私たちは関市本来の魅力に目を向けるべきです。刃物の伝統技
術、豊かな自然、地域に根ざした食文化は大きな価値を持つ資源です。しかし、これらの魅力
がどれほど市民に共有され、まちの内外に届いているでしょうか。私たちは地域の魅力を当た
り前として見過ごしてはいないでしょうか。ここにこそ、関市が選ばれるまちとして輝きを取
り戻す鍵があるはずです。現代のライフスタイルの多様化や価値観の変化により、住む場所は
利便性だけで選ばれる時代ではなくなりました。だからこそ、地域に対する誇りや共感、関わ
りたいと思える何かが必要です。まちに暮らす一人ひとりが、地域の価値を再認識することか
らすべては始まります。まずは私たちがそれに気づき誇りを持ち、地域の未来を主体的に描く
ことが必要です。関市を再発見し、価値を再定義するとともに広く発信していくこと、それこ
そが人口減少に立ち向かい、希望ある未来をつくる第一歩です。私たち青年世代がその起点と
なり、このまちの新たな物語を創造してまいります。
会員拡大 〜志をつなぐ〜
青年会議所は、40歳までという限られた時間の中で、地域への奉仕と自己の修練を重ねる稀
有な機会を提供しています。単年度制で多様な役職を経験し、まちを想い、仲間と議論を交わ
しながら事業をつくり上げることで、リーダーとしての資質が磨かれていきます。しかし現
在、全国的な会員数の減少は深刻で、関青年会議所も例外ではありません。ピーク時の5分の
1にまで減少し、かつてのような大規模な事業展開は困難になりつつあります。
だからこそ今、私たちはこの状況を危機ではなく、再構築の好機と捉え、前向きに進む時で
す。会員一人ひとりが関青年会議所の顔として誇りと自覚を持ち、自らの言葉でその意義を語
ること。それが、新たな仲間の心を動かす、最も強い力になります。成長を求める青年、まち
の未来を憂う人々、子どもたちにより良い環境を残したいと願う人たちと共に、私たちの運動
を進めていきましょう。修練・奉仕・友情という三信条のもと、私たちは地域と真摯に向き合
い、信頼を築いてきました。この経験と志を伝え、拡大の先に目指す質の高い連携と挑戦を実
現するために、情熱と誠意を持って会員拡大に取り組んでまいります。
結びに
青年会議所の活動には、不思議な力があります。誰かのために始めたはずの一歩が、いつし
か自分自身の成長につながっていく、そんな自己変革の機会に満ちた運動だと私は強く実感し
ています。たとえ悩み失敗することがあっても、大切なのは現状に甘んじることなく自ら挑戦
し続ける姿勢です。そして、同じ志を持つ仲間と連携しながら歩む覚悟を持つことです。どん
なに困難な状況であっても、共に支え合える仲間の存在こそが、私たちの背中を押し、新たな
一歩を踏み出す力となるのです。
69年という長い年月をかけて築かれてきた関青年会議所の歩み。その尊い歴史を胸に私たち
は今、70周年という未来への一歩を踏み出します。これは単なる「節目」ではありません。
過去と未来をつなぐ大きな通過点であり、新たな創造への出発点です。積み上げられた歴史に
深く敬意を払いながらも、過去にとらわれることなく、次の世代へと確かなバトンを渡す覚悟
が今、私たちには求められています。挑戦と連携のもと、関のまちに根ざし、地域とともに歩
む運動こそが、私たちだからこそ実現できる、唯一無二の価値ある活動であると確信していま
す。愛するこのまちの未来を想い、このまちに生きる私たち一人ひとりが主役となり、それぞ
れの持ち場から希望の光を灯していく。その力の結集こそが、このまちの未来を、そして関青
年会議所の未来を明るく照らしていくのです。この一年間、まちのために、そして私たち自身
の成長のために、皆さんと共に新たな歴史の一頁を刻んでいけることを、心から楽しみにして
います。