一般社団法人関青年会議所 2021年度理事長所信

2021年度理事長予定者 田中 雄貴

【はじめに】

2020年、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、日本国内では東京オリンピック・パラリンピック、関市内でも刃物まつりなど全てのイベントの開催が延期や中止となりました。そして、関市でも発症者が確認され、集団感染も発生し、私たちの生活は一変しました。この度の感染症により罹患された方々には心よりお見舞い申し上げます。また、医療従事者はじめ、感染拡大防止にご尽力されている多くの皆様とそのご家族の皆様には心より敬意を表すと共に深い感謝を申し上げます。

 

【全ての始まりは人との出会いから】

「関市と出会えて本当によかった」

愛知県にて生を受け、結婚を機に関市に移り住み8年が経った今、私は心の底からそう感じています。関市が魅力溢れるまちであるとともに、関青年会議所と出会ったことで先輩方が取り組んでこられたまちづくりへの情熱や想いを知り、誰かのために行動しようという感情が私の中で着実に育っているのです。これは青年会議所で積極的に活動する中で、多くの人との出会いによって成長させていただいたためだと確信しています。今、自身の人生を振り返ると成長の機会といえる多くの出会いがありましたが、私は一つひとつの出会いの大切さに気付くことなくその機会を無駄にしてきたように思います。しかし、青年会議所に入会後の多くの出会いは、一つひとつ積み重なる「和」の経験となり私にとって心地の良いものばかりでした。そして、その仲間に支えられてきた中で、積極的に行動するほど自身の成長へと繋がっていきました。移り変わる時代の中で、本質的には変わることなく、既成概念に囚われずに活動していくことは容易ではありませんが、私たちは全力でまちづくりに取り組んでこられた先輩方に対し、敬意と感謝の念を忘れることなく、常に前向きに「和」を志し、その時代に即した挑戦を行っていく団体で在り続けます。

人との出会いこそ全ての始まりであり、まちづくり活動はその出会いが幾重にも連なり足し合わさって一つの形が出来上がります。明るい豊かな社会の実現に向かって、そして新しい出会いに巡り合うために、全てに「和」をもってまちづくり活動を行っていきましょう。

 

【未来のためのまちづくり~心を合わせる和~】

SDGsとは社会課題が拡大し、複雑化する現状を解決するために2015年に国際連合が掲げた持続可能な開発目標であり、世界がどのような未来を目指すのかを17のゴールと169のターゲット、232の指標によって明確に定めたものです。日本青年会議所も改訂されたJC宣言文の中で持続可能な社会について触れており、関青年会議所でも昨年よりSDGsの普及に向けて活動を開始しました。実際に活動していくと、青年会議所の全ての運動は本質的にSDGsの達成と繋がりがあることに気付き、私たちの事業の多くはSDGsのゴールと関係があると実感しています。一方、SDGsの目標は幅広く、地球規模という印象が強いため何から始めればよいか分からないと難しさを指摘する声もあります。しかし、難しいからと何もしなければどうなるのでしょうか。私が想定する最も深刻な事態は、私たち大人の不作為の結果が私たちの世代ではなく、子どもたちや孫、そしてまだ見ぬ世代が生きていく時代に生じてしまうことです。私たちが何もしなければ、この関市でも今よりも厳しい未来が待っています。そうならないためにも私たちは今、行動する必要があります。

これまでの取り組みにより関市中でSDGsが広く認知されつつある今、市民がSDGsへの理解と興味をさらに深めることで、より一層身近なものとすることができます。誰一人取り残さないというSDGsの理念は、言い換えれば全ての人が行動することができるということです。例え、一つひとつの行動は小さくとも、全ては幸せな未来である持続可能な社会へと繋がっていることに気付くことから始まります。そうすることで、自分自身が解決すべき問題を見つけ、その解決に向かって努力できる市民は自ずと増えていきます。SDGsを通じて幸せな未来のために心を合わせてまちづくりを行っていきましょう。

 

【青少年の健全な成長を~高め合う和~】

2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて全国の学校が休校となり家庭での教育が続きました。オンライン授業の導入によって子どもたちが学ぶ環境は保たれましたが、少子化や核家族化など子どもたちを取り巻く環境の変化も重なり、子ども同士で触れ合い、高め合う時間は益々減少してしまいました。さらに、学校の再開後も多くの行事やイベントが中止となり、子どもたちの大切な成長の機会が失われています。

学童期に子ども同士で競い、時には協力しながら高め合う時間や目標へ向かって挑戦する体験は、競争心や自立心を育み精神的な成長へと繋がります。しかし、その機会が減少している現状では、将来の夢や希望へ向かって挑戦することに不安を覚え、今後も挑戦し続けていく中で、立ちはだかる困難を前に挫けてしまうのでないでしょうか。何かへの挑戦は必ず成功するとは限りませんが、長い人生の中では避けて通ることができず挑戦しなければならない時がやってきます。時には悔しい想いで涙を流すこともあるかもしれませんが、だからこそ、その経験から学び、もう一度挑戦することの大切さを伝えていくことが必要です。子どもたちが何度でも立ち上がることができる強い精神力を持った大人に成長するために、貴重な経験ができる機会を提供していきましょう。

 

【会員の資質向上~積み重なる経験の和~】

近年、メンバーの資質向上に対する機会は、事業活動や委員会活動を通じて得た経験と、岐阜ブロック協議会のアカデミー事業が主でした。経験豊富なメンバーが多数在籍していた時代は若手メンバーへのフォローも行き届いていましたが、現在では在籍年数が長く、経験豊富なメンバーは少なくなっています。このような中で、今後も私たちが時代に即した挑戦を行っていくための最大の鍵は人材育成であると考えます。そのために、積極的に青年会議所の人材育成プログラムである出向やセミナー研修、各地の青年会議所メンバーとの交流の機会などを活用していきます。青年会議所の本質を理解し、知識を身につけることでJAYCEEとして、さらには組織として成長することができます。そして、メンバー全員が志を一つにして進んでいけるよう経験豊富なメンバーは青年会議所で培った経験を、在籍年数の短いメンバーに大いに伝えていきましょう。先輩方が残された言葉を他のメンバーと共有することで、自身の新たな学びや気付きへと繋がることでしょう。

この時期の生き方が今後の人生に大きな意味をもたらすことは多くの先輩方がその大きな背中で示してくれています。積み重なる経験と成長との繋がりに気付き、全てのことに前向きに行動できるメンバーへと成長してほしい。そのためにも、メンバー一人ひとりが積極的にその手を伸ばし、多くの成長の機会を自ら掴み取りにいきましょう。

 

【やり遂げる会員拡大~新たな出会いの和~】

関青年会議所は63年という永きに亘り、明るい豊かな社会の実現を目指し運動を発信し続けています。先輩方がまちと誠実に向き合いながら運動を続けてこられたことで、現在の関青年会議所は行政及び市内の各団体との協働ができており、まちからの信頼をいただくことができています。そして、これからも団体としてまちに対する発信力を今までのように維持し、さらなるまちの発展を目指し運動を展開していくためにも、同志となる仲間を更に増やしていかなければなりません。

会員拡大はメンバー全員が取り組むべき課題です。全員が「組織全体で行っていく」という使命のもと結束し、情熱を持ってこの重要な課題に取り組まなければなりません。青年会議所は経営者と言われる人間だけに入会が許された団体ではなく、品格のある青年であれば全員に入会資格が与えられています。だからこそ、新たな出会いを求めて、既成概念に囚われることなく積極的に声がけを行いましょう。また、他の青年会議所や他団体での成功事例も参考にしながら、新しい手法についても積極的に議論していくことも必要です。新たな仲間と青年会議所運動を共にすることで、その胸にはまちのためにという想いが必ず芽生えていきます。そして、まちのことを想う心を持った青年が増えていくほど、このまちの活性化に繋がっていくのです。特別会員の皆様にもご指導とご協力を仰ぎ、関青年会議所が有する関市全体のネットワークを活用して新たな出会いを増やしていきましょう。

 

【むすびに~「和」を成すメンバーへ~】

「青年会議所活動を仕事や家庭の時間を割いてまでする意味があるのか」と問われることがあります。メンバーの中にも疑問を持っている人がいるかもしれません。青年会議所活動ではまちづくりに焦点が集まることが多いですが、まちづくりに大切なことは人との出会いであり、事業を構築し実行する中での自己成長です。つまりひとづくりであり、全てはあなたのためなのです。職場や家庭の協力を得ていただいた貴重な時間はまちのためだけに使用しているのではなく、あなたの成長に確実に繋がっています。だからこそ、仕事で成果を発揮でき、家庭ではより大きな愛情で家族を包んでいくことができるのです。折角、この時期に青年会議所と出会い、成長する機会を得ているのだから、現状に満足することなく今以上の知識や経験を求めて、多くの人と出会い、多くの経験を積んでほしい。さらに、その出会いと経験をもって活動することがあなた自身の成長であるのだと信じてほしい。メンバー全員がそう信じることができるように私も覚悟を持って行動してまいります。

変わりゆく地域課題への解決が求められる今だからこそ、過去の成功体験を追い求めるのではなく、もっと良いやり方、もっと時代に合った方法があるのではないかと、好奇心をもって臨み、私たち自身で考え、変化を恐れず挑戦することが、まちに新風を送り込むこととなり活性化へと繋がります。挑戦し続ける中で、時に迷うこともあるかもしれませんが、私たちには同志と呼べる仲間がいます。共に運動する同志と想いを一つに重ね合い、知識と経験を共有し、全てに「和」をもって一歩ずつ進んでいこう。まだ見ぬ自分のために、このまちの未来のために。