一般社団法人関青年会議所 2020年度理事長所信

2020年度理事長予定者 山中 孝浩

はじめに

関青年会議所は1957年、高度経済成長期の中、まちの明るい未来を見据えて高い志と使命感を持った46名の青年により設立され運動が始まりました。時代の移り変わりに応じながら私たち関青年会議所の運動は展開され、63年目を迎える今日まで途絶えることなく、不変の姿勢として今の私たちに受け継がれてきました。この62年間という歴史は、私たちの活動が地域の皆様に支えられ、「個人の修練」「社会への奉仕」「世界との友情」の三信条の下、明るい豊かな社会の実現という基本理念に向け、先輩諸兄の人やまちを想う心と情熱をもって活動してきた実績であります。私たちはこうした歴史に敬意と感謝の念を抱くと共に、「このまちをより良くしたい」という熱い想いと、未来を切り拓く強い行動力をもって活動してまいります。

本年度、関市は市制70年目を迎えます。1950年10月15日、県下で5番目の市として産声をあげ、中濃地域の政治、経済、文化などの中心都市として発展を遂げてきました。人口減少など多くの問題を抱える中、私たちは関市の未来を想い、持続的に発展し続ける社会の創造に向け青年らしく気概に溢れる行動力で希望に満ちた未来に向け一歩を踏み出しましょう。

 

持続可能な社会の実現に向けて    

現代の日本は課題先進国とも言われ多くの社会問題を抱えています。東京一極集中による地域格差、人口減少問題がもたらす生産性や活力の低下、20代から40代の所得低下や将来不安による消費と出生率の減少、それらに伴う格差社会の歪みによる子どもの貧困や教育格差など多くの問題があります。それは関市においても同じ傾向にあり、そして一番の問題はこれらに対して多くの市民の意識が低いことではないでしょうか。このような状況が続くと社会の担い手の減少により関市の活力が失われ衰退し、いずれ私たちの愛するまちは失われてしまうかもしれません。だからこそ、今を生きる私たち青年が現実から目をそらすことなく、危機感を持ち、未来に対して何が出来るのか考え今、行動をしなければならないのです。

社会問題の解決に向けては一人ひとりが社会問題と向き合い意識することが重要であり、国際社会の目標SDGs(持続可能な開発目標)を取り入れる必要があります。この取り組みは、環境、社会、経済をめぐる広範な共通課題に対し、国のみならず企業や個人を含む全ての人が携わることのできる運動です。日本においては、まだまだ国民の認知度は低いものの行政や大手企業の取り組みは少しずつ始まっています。しかし関市においては、未だ認知度は低くSDGsへの明確な指針を定める取組みがなされていないのが現状です。

SDGsを通じ市民が問題解決へ当事者意識を持つことで、多くの市民が行動を起こし、より良い社会が築かれ、良い社会から経済成長が実現し、関市に明るい豊かな未来が訪れます。そのため、私たち関青年会議所が今できることは、SDGsの認知度を上げ、目標達成に向け当事者意識を持ったアクティブ・シチズンズ(行動的市民)を生み出すために、この取り組みを地域へ発信することです。そしてSDGsを推進する関青年会議所の運動が進み、社会により良いインパクトを与え、アクティブ・シチズンズと共に関市の明るい豊かな社会を創造するため、持続可能なまちづくりを実現していきましょう。

 

持続可能な企業で在るために

関青年会議所メンバーの多くは、企業の経営者及び今後経営者になりうる人材で構成されています。近年、社会問題解決への企業の役割期待が高まる中、私たちは青年経済人として時代のニーズに合わせ企業を成長させていかなくてはなりません。企業が更なる成長を遂げるためにはSDGsと向き合い、取り組みを始めていく必要があるのではないでしょうか。今や世界中の企業が賛同し経営の中に取り込もうと力を注いでいる中、社会問題解決に向き合おうとしないことは、企業価値を下げるなど企業の持続可能性さえ揺るがします。SDGsに対しては、まだまだ市内での認知度は低く、取り組みがなされていないのが現状です。関青年会議所として、私たちがSDGsと向き合い推進することで、市内の企業でも目標達成に向けた活動が広まるよう取り組んでまいります。

日本の企業にとってSDGsとは未知なものではなく、日本の経営哲学には古来より「三方よし」という近江商人の教えがあります。これは現代でいう共有価値の創造(CSV)にも類するものであり、多くの日本企業が古くから理想とし自然と意識し取り入れられてきました。企業がビジネスを通じSDGsという世界共通の目標に取り組むことは、企業の価値を向上させ存続基盤をより強固なものにするとともに、未来の市場を明るく照らし未だ見ぬ新しい市場を創造、獲得するための大きな機会となるでしょう。この取組みにより企業が社会により良い影響を与え、社会の問題解決と企業価値の向上、つまり社会と企業の発展(トレード・オン)という相乗効果を創出し希望に満ちた未来の実現が可能となるでしょう。

社会と企業が持続可能な成長をしていくために今SDGsを学び、経営の基軸として、未来に対して私たちが何をするべきか考え行動に移し持続可能な経営を実現していきましょう。

 

未来を担う青少年のために

子どもたちの未来を想う時、私はその未来が輝き希望に満ちていて欲しい。希望に満ちた未来とは、誰もが限りない自身の可能性を躍動させ果敢に挑戦できる未来です。しかしながら子どもたちを取り巻く環境は少子化、核家族化が進行し、子ども同士が互いに影響しあって活動する機会が減少するなど、自ら体験をする機会が失われています。それは、多くの人と関わりながら体験をすることにより養われる自立心、協調性やチャレンジ精神が育まれなくなることに繋がります。

子どもたちがたくましく成長する上で大切なことは、成功体験はもとより、挫折などの失敗体験も含め多様な体験をすることだと考えます。そして、一つ一つの体験が子どもたちを成長させ希望に満ちた未来へと導いてくれるでしょう。

関青年会議所は子どもたちの成長に欠かせない機会を提供するために、今年度もわんぱく相撲を開催します。子どもたちは取り組みを通じ真剣勝負の中から勝敗に対し嬉しさや悔しさを感じることができます。普段得ることの出来ない体験をその身で体感し心豊かなたくましい日本人になるとともに、礼儀礼節と感謝の心を備え果敢に挑戦できる子どもたちを、本事業を通じて育んでまいりましょう。

また、関青年会議所におけるわんぱく相撲は、もはや一つの目的を達成する運動の域を超え関青年会議所のブランドとなっています。わんぱく相撲のように多くの市民に賛同を得る事業は、関青年会議所の価値を向上させる大きな武器となります。わんぱく相撲を過去の運動の一つとして継続させるだけではなく、関青年会議所のブランディングとしてさらなる効果を生む事業として展開をしていきましょう。

 

志を同じくする仲間の拡大

アクティブ・シチズンズに満ちた社会を目指す私たちにとって会員拡大はその原点であります。私たちは、設立以来「明るい豊かな社会の実現」に向け力強く運動を展開してまいりました。私たちがまちづくりを行う団体である以上、そこに携わる私たちと同じ考え、同じ志を持つ仲間を一人でも多く増やし同志の成長を願い注力することが、その実現に繋がります。しかし、同志を増やすためには、ただ拡大をすれば良いというものではありません。青年会議所は成長できる機会を与えてくれる魅力的な学び舎であり、まずは自身が青年会議所を熱く真剣に語ることが出来るように成長するべきだと考えます。そして青年会議所の魅力を語り、地域の隅々にまで私たちの運動を伝播させることが会員拡大に繋がるのではないでしょうか。

また会員拡大はただ同志を結集し、組織を強化するだけではなく、地域社会において積極的に行動できるアクティブ・シチズンズを生み出します。そんな社会の担い手は、問題解決に向け当事者意識を持った瞬間、まちの将来を考えまちの未来のために行動を起こすでしょう。この力を結集させ社会をよりよい方向へ導いていくことが、私たち青年会議所の使命でもあります。

未だ見ぬ新たな同志との出会いに心を躍らせ、「一人でも多くの、志を高く持つ仲間に出会いたい」との一念で会員拡大に取り組んでまいりましょう。

 

未来を担うJAYCEEとして

昨今、関青年会議所は入会年齢の高齢化に伴い在籍年数の短年化が進んでいる問題があります。この問題は、メンバー自身が青年会議所運動から得られる自己成長の機会と経験の減少をもたらします。これは、関青年会議所が未来を担う地域のリーダーを育成し、社会への人材輩出という役割を担う私たちにとって非情に憂慮すべき問題ではないでしょうか。また、私たちは「明るい豊かな社会の実現」に向けメンバーが青年会議所の運動を理解した上で日々の活動に取り組んでいかなければなりません。そのために今、私たちに必要なことは「何の為にJC運動をしているのか。」「まちにJCがなくなったらどうなってしまうのか。」を今一度顧みることが必要です。そして、メンバーの青年会議所への存在意義を確立し修練を重ね、自己の成長に繋げることが重要です。入会の浅いメンバーはもちろんのこと、全員がJAYCEEとして在るべき姿を学び、JC運動の価値について深く考える機会を提供することで未来を担うJAYCEEとして希望に満ちた未来に繋げてまいりましょう。

 

新たな一歩が未来を創る 

青年会議所は全国に694の会員会議所があり34,500人の同志が日々、活動をしています。また、その活動の範囲は世界にも及び会員数17万人以上の世界で最も大きな青年団体です。そこには、自ら行動しチャンスを掴みにいかないと得られない自己成長の機会が無数にあります。私はメンバー一人ひとりが、この青年会議所という学び舎で、多くの機会に触れ地域のリーダーとして未来を担う人材へと成長をして欲しい。

青年会議所には自己成長をさせてくれる多くの機会があり、その一つに出向があります。出向は全てのメンバーに平等に与えられた機会の一つであり、そこで経験する凝縮された一年は青年会議所での学びを何倍にも豊かにする爆発的な力を与えてくれます。私も入会以降、多くの機会に触れ、その中でかけがえのない仲間との出会いや多くの学びを得ました。私自身の経験からも出向での多くの出会いによって多様な価値観に触れ、同じ志の下、仲間と共に切磋琢磨することは必ず新たな学びに繋がると確信しています。そこで得た学びや気づきを自身の成長に繋げ、活動の中で生かすことで私たちのまち関市を明るい豊かな社会としていきましょう。

また、出向と同様に成長の機会の一つである京都会議、サマーコンファレンスなどの各種大会へ参加することも、新たな学びを得るだけではなく、同じ志を持つ仲間と友情を育むことができる絶好の機会です。そして出向や各種大会で得た多くの学びは個人に留まることなく関青年会議所へと還元され共有されることで共鳴を起こし、必ずや同志の心に火をつけ自ずと関青年会議所としての組織力向上へと繋がります。出向や各種大会へ積極的に参加し多様な価値観に触れ、自らの行動で成長を促し未来へ向け歩みを進めましょう。

 

結びに 同志へ

「未来は目指すものであり創るもの」

私たちが関市を本気でより良くしようと社会のために行動を起こす時、未来はきっと変えられます。それは個人で行うのではなく関青年会議所として今、行動を起こすかどうかにかかっています。行動し、その挑戦をやめない限り私たちの想い描く明るい豊かな社会は必ず実現します。

 

今こそ一歩を踏み出そう。

 

踏み出した一歩が新しい道を創り、未来を明るく変えます。私たちの未来は無限の可能性を秘めています。なぜなら未来は今日の行動から創られるからです。行動した者だけが自分を成長させ、地域を変えることができます。

 

私たちの最初の一歩を塞ぐ壁は何もありません。新たに一歩を踏み出した結果の失敗は恥ではなく、自己成長の代え難い財産です。私たち青年は、失敗した数だけ磨かれ光り輝いていく原石なのです。

関市の未来を切り拓くのは、私たちであり、共に歩む同志です。

 

目の前に道がないのなら道を創ればいい。

目の前に立ちはだかる壁があるのなら、その壁を壊せばいい。

私たちは前に進むのみです。

さあ、今こそ共に明るい未来への一歩を踏み出そう。