一般社団法人関青年会議所 2024年度理事長所信

2024年度理事長 山田 信之

はじめに
2011年、私は24歳でこの一般社団法人関青年会議所に入会しました。入会当初は青年会議所のことは何も分からず、明確な入会動機もない状態でした。現在は年数を重ねるごとに青年会議所の使命を理解し、自身の目的も明確になりました。またここで得た機会や仲間のおかげで、自分自身が成長出来ていると感じており、今では心から信頼できる仲間もできました。一方で、自らの未熟さから多くの人に迷惑をかけたこともあり、青年会議所を辞めることを考えたこともあります。そんな時に私を押し留めたのは信頼できる仲間の存在と、逃げても何も得られるものはないという想いからです。失敗を恐れず、使命を全うするため一歩踏み出しましょう。
明るい豊かな社会の実現という共通の目的を持って、共に運動や活動をしていくなかで、多くの人と出会い、多くの経験をすることで自らの器を大きくしていく、それが青年会議所だと私は考えます。小さな器を一生懸命磨くのではなく、失敗して恥をかいて、悔しくても歯を食いしばり進んでいくこと、自分と違う価値観を持つ人を受け入れ認めることで少しずつ器を大きくしていくのです。これほどまでに成長と発展の機会を与えてくれる団体は他にはありません。その機会を手にするもしないも、それは自分次第です。自ら機会を掴み成長していこうではありませんか。

青少年育成 ~記憶に残る体験~
社会の変化は加速度的に速さを増し、将来の変化を予測することが困難な時代となりました。私たちの生活は物質的にはとても豊かになりましたが、少子化や核家族化が進行しています。
これからの時代を生きる子どもたちが成長し、自立するうえで必要となる生きる力を育むには、実現や成功などのプラス体験はもちろん、挑戦した結果、葛藤や挫折などのマイナス体験も含めた多様な経験をすることも必要不可欠です。そして、様々な経験をもとに好奇心を刺激し子どもたちに「もっと知りたい」「もっと学びたい」と思うような探究心を芽生えさせることで、子どもは自ら学び、自ら考え、主体的に行動できるようになります。主体性を持った子どもは何事にも積極的に挑戦し、行き詰ったとしても他の選択肢をつくり出すことができ、自らの未来を切り拓くことができます。
未来を担う子どもたちのために、家庭や地域などと連携・協働し、地域社会全体で、夢や希望に溢れ何事にも挑戦する心、そして自分自身を好きになるだけでなく相手を想いやる優しい心を養い、子どもたちが逞しく生きる力を育む運動を展開してまいります。

まちづくり ~人と繋がるネットワーク~
これまで関青年会議所は長い歴史の中で、まちづくりに結果を残す事業を数多く展開してきました。その根底にあるのは、地域の明るい未来を望む強い志と、課題に対して果敢に挑戦し続けた、私たちの想いです。私たちは自らが住み暮らす地域に対して、これからも住みよいまち、明るく豊かで持続可能なまちを目指して活動していかなければなりません。
私が考える明るい豊かなまちとは、皆が日々笑顔で過ごすことであると考えます。その一つとして、子と親に優しいまちづくりは必要不可欠です。そのためには、私たち自身が意識改革を行い、民間と行政そして企業が一体となって社会全体で子どもを育む空気や文化をつくる必要があるのではないでしょうか。企業と連携を組み活動に取り組むことで 地域として子供達に対する理解は深まり、より深い課題に取り組んでいける土壌が出来上がり、地域全体で子育てしやすい環境を構築できると考えています。
また、持続可能なまちを実現するためには、行政、同じ様な課題を抱えた他地域との連携が必要であると考えます。それぞれの課題へのアプローチの方法や、効果などを共有し新たな価値観や発想を取り入れ、社会により良い変化をもたらし、活気あふれるまちへとつながると信じています。

会員拡大 ~次世代の為に~
会員拡大は、私が入会した当時も恒久的に行われてきました。青年会議所は正会員の資格が40歳までという規則があり、常に会員の新陳代謝が行われるからこそ、様々な人にチャンスや成長の機会があります。しかし、全国的にも会員数が減少の一途を辿っている中、関青年会議所においても現在の会員数は、私が入会した当時の3分の1となっています。全メンバーが現状を真摯に受け止め、誰かがやってくれるではなく、メンバー一人ひとり自らが率先して会員拡大を行うことが必要です。
また、以前に比べて現在は様々な団体が存在しており、会員拡大を行っていく上で青年会議所の魅力を今一度確認することが大切です。私が考える魅力の1つとして青年会議所の三信条が挙げられます。1950年に青年会議所運動の行動綱領として生まれ、運動の本質を端的に表したもので、奉仕・修練・友情の元、地域のために事業計画を構築し、会議で議案を議論し、メンバーと共に事業を行うことで様々な学びや気づきを得ることが出来ます。この魅力を知っているのは、関青年会議所を卒業していった先輩諸氏も同様です。そうした先輩方のご協力も賜りながら、会員拡大を成功に導いていきます。貴重な個人の時間とお金を使い活動をする上で、地域活性化や自己成長、信頼出来る仲間を作ることにおいてこれほど適した団体はないと確信しています。

結びに
今日もこうして青年会議所活動を行えているのは多くの方々のおかげです。家族や社員への感謝、ともに活動する仲間や67年という歴史をつくりあげてきてくださった先輩諸氏への感謝の気持ちは決して忘れてはいけません。そして、その気持ちを常に言葉にして伝えていきます。一方、私たちの活動はこのまちの明るい豊かな社会の実現のために役立っているのか。今の時代に即した青年会議所運動とは何なのか。時代は常に変化していく一方で、私たちらしい、私たちだからこそできる活動を今一度冷静に考え、新たに構築し直すことが今、求められているのです。
人生は挑戦の連続です。挑戦する前から無理だと決めつける先入観を捨て、人に語りたくなる社会を目指し、未来を生きる世代の笑顔を想い、私たちが考える夢や希望に溢れた持続可能な社会へとつながる大胆な事業を実行していきましょう。決して一人ではありません。必ずそばで支えてくれる仲間がいます。未知へと挑戦をする心、仲間を想い互いに認め合い、支え合う心が合わさった時、1つのチームとして輝きを放ち、最大限の力を発揮することができると確信しています。

私たちには関のまちをより良くする運動を起こすという使命があります。

次代を担う私たちの手で、時代に則した新しい関青年会議所をつくり上げていきましょう。